JR東日本スタートアップとDataLabsが資本業務提携 ~ 点群データの自動モデリング技術による鉄道DXにむけて ~
JR東日本の子会社でベンチャーへの出資や協業を推進するCVCのJR東日本スタートアップ株式会社(代表取締役社長:柴田裕、以下「JR東日本スタートアップ」)と、点群データの自動モデリング技術を有するDataLabs株式会社(代表取締役:田尻大介、以下「DataLabs」)は、鉄道現場の生産性向上にむけて、資本業務提携することを合意しました。
◆点群データの自動モデリング技術による配筋検査の生産性向上を目指して
JR東日本グループでは、グループ経営ビジョン「変革 2027」においてJRE-BIM※1・ICT技術の導入による鉄道現場の生産性向上を目指しています。
鉄道を含む建設現場において、鉄筋コンクリート構造物を建設する際、鉄筋を現地で設計図に基づき組み立てますが、受注者の施工会社だけでなく、施工監理業務としてJR社員も現地に設置された鉄筋と図面の照合を行う「配筋検査」を行います。対象の構造物によっては非常に多くの数の鉄筋を検査する必要があるため、1日中現場に張り付いて実施する場合もあり、多くの時間と労力を要しています。
配筋検査の効率化は発注者、受注者問わずに課題であり、JR東日本でもJRE-BIMやICT技術の導入による解決を検討してきました。しかし、ミリ単位での精度が求められる鉄筋配置を現地に行かずに正確に把握する技術が無く、本導入には至っていません。そのような課題がある中で、2022年度のJR東日本スタートアッププログラム※2実証実験を通してDataLabsの点群データから正確にBIM/CIMモデルを自動作成する技術によって課題解決の可能性が出てきました。今回の資本業務提携により配筋検査の効率化を継続して目指していく他、鉄筋以外の構造物の自動モデリング技術活用によるJRE-BIMの更なる推進、鉄道DXを一緒に目指していきます。
※1 JRE-BIM:JR東日本におけるBIM/CIMの取組みの総称
※2 JR東日本スタートアッププログラム:ベンチャー企業や様々なアイディアを有する方々から、駅や鉄道、グループ事業の経営資源や情報資産を活用したビジネス・サービスの提案を募り、ブラッシュアップを経て実現していくプログラムです。2017年度に初めて開催し、これまでに計104件の提案を採択。鉄道事業やIT事業など幅広い分野の実証実験を行い、一部の取組みは実用化にいたりました。
◆DataLabs株式会社とは
Datalabsは「3次元データで建設業を変革する」をミッションに3次元データを用いたクラウド型システムの開発・提供、研究開発を行っています。業界初の公共工事での適用可能な新技術承認を受けた配筋検査自動化ツール「Modely」およびNETIS登録技術のクラウド型3次元データ可視化・共有システム「LinkedViewer」を販売しています。今後は、既存プロダクトの拡販を進めると同時に、不可逆的に進行するインフラの老朽化に際し、急増する構造物の修繕工事需要等に資するプロダクトの開発も進め、建設業務の生産性向上にさらに寄与していきます。
所在地 | 東京都中央区日本橋小舟町8-6 |
代表者 | 代表取締役 田尻大介 |
設立 | 2020年7月 |
事業内容 | 3次元データを用いたクラウド型システムの開発・提供 |
企業HP | https://www.datalabs.jp/ |